10/3 KGS 10月のボット・トーナメント (19路) がこの日曜の夕刻から深夜に掛けて行われ, Zen19 (Zen) が 15戦全勝で優勝しました. バージョンが 8.0に上がってまた強くなったようです. 以下, pachi2 (Pachi), PueGo (Fuego), stv (Steenvreter), AyaMC (彩), Orego12 (Orego), PNUGo (GNU Go), oakform の順でした. おめでとうございます.
トーナメント･ディレクター, Nick Wedd 氏のレポートはこちら.
今年の年間チャンピオンですが, 残り 3戦で 30ポイント近くリードしている Zen に決まりました. もう一度おめでとうございます. また, Erica は開発を中断※しているので当然ですが, Many Faces of Go の連続不参加が気に懸かります. このまま不参加が続くと, 彩が残りの 3戦で 12ポイント取れば逆転して 3位になります. ※ゼロから書き直すそうです.
10/5 ゲーム･プログラミング・ワークショップの参加申し込みが始まりました. 締め切りは 10/28です.
10/22 Gomorra の Lars Shaefers さんのチームの論文, "Parallel Monte-Carlo Tree Search for HPC Systems" が公開されました. 正規のものは Springer のサイト, 著者コピーは Lars さんのサイトからダウンロードできます.
ざっと読みましたが, 8月の Third 2011 Slow KGS Computer Go Tournament で 4位になった gomorra3 に使われた HPC クラスタ用並列 MCTS アルゴリズム (UCT-Treesplit) の様です. ポイントは UCT の探索木をクラスタの各ノード・コンピュータに分散して持たせる点でしょう. したがって, シミュレーションに必要な情報のパッケージが, 探索木を降りながら次に訪れる節点を選ぶ処理がその情報を持っているノード上で実行されるため, 色々なノードを飛び回ることになります. 対象ハードウェアは, 全ノードが同じ構成で複数のコアを持ち, ノード間通信が高速なコンピュータ・クラスタです. 16ノードまでスケールしたとあります.
10/22 今日気付いたのですが, 12月 4日の KGS Computer Go Tournament の時間帯が Eu Am (日本時間 5日午前 1時開始) に変更されてます.
10/29 Computer-go mailing list で MCTS の playout 速度が話題になってます. 発端は Scott Christensen さんの「MCTS playouts per second」という投稿で, 「良くチューンされたモンテカルロエンジンの playout 速度をチェックしたい. 自分のは i5 32 bit で毎秒 3,500 lightweight playouts per second (以下 po/s) 位なんだけど, 高速なソースコードのサンプルはありませんか？」という内容の投稿です. 回答をまとめると,
9路の場合, いわゆる light playout はその 10倍から 20倍位速く, heavy playout でも少なくとも 2倍位速いはず.
Pebbles は第一世代のデュアルコア CPU でおよそ 5 kpo/s, Fuego と MoGo も同じくらい. Pachi はもう少し遅いけど多分もっと賢い. (Brian Sheppard)
Zen は凄く遅くて 3 GHz の Core2 1コアで 1kpo/s (19路) だけど凄く賢い.
高速化に重要な「手抜き」手法として, 手が合法かどうかのチェックを事前に全部やらずに手を選んでからチェックするというのがある. (Hideki Kato)
Erica は i7 1コアで 5,500 lightweight po/s 位 (19路).
Łukasz Lew の libego (正式には libEGO) というオープンソースのエンジンが一番高速な実装で, これにグローバルな手の重み付けや色々なデータの逐次更新を追加したものが同じ CPU で自分のより 1～2k 速かった. (Aja Huang)
libego は 9路で 100k, 19路で 25k 位だったと思う. (Rémi Coulom)
(文責 加藤英樹)
このページに関する質問、問いあわせ等の連絡は執筆者までお願いします。