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世界コンピュータ囲碁大会 岐阜チャレンジ2005
WORLD COMPUTER GO CHAMPIONSHIP 2005
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実行委員会
大会主旨

 現在囲碁人口は日本国内で約500万人、世界中では3600万人とされている。囲碁コミック「ヒカルの碁」が子供たちの人気を呼び、小学校でも盛んに囲碁が打たれるようになっている。

 コンピュータに囲碁を打たせる研究は1960年代からおこなわれているが、40年が経過した今でもまだ級位のレベルにある。それは、ひとつには19×19の盤面の広さが原因で、これまでコンピュータの高い計算能力を背景としてチェスなどのプログラムにおいて盛んに研究されてきた探索中心の手法だけでは到底計算が追いつかないということがある。しかし、それだけでなく、玉が詰めば終局する将棋のような明確な目標がないことや、単独では同一の機能を持つ個々の石の価値や役割が置かれた環境の経時変化に応じて激変するなど、囲碁ならではの課題も多い。

 人工知能研究の場では、長くチェスプログラムが人間の世界チャンピオンに勝利することが大きな目標として掲げられ、研究が進められてきた。その目標が1997年に達成された後、囲碁はチェスに変わる人工知能研究を牽引する課題となった。これまでチェスを中心としたゲームプログラムの研究は、単にゲームのプログラムを作るというだけではなく、そこで考案され、テストされた計算手法が計算機科学の発展に大きな貢献を果たしてきた。

 このような点から、コンピュータ囲碁は、これからのソフトウェア業界を支える基盤的な技術を作る課題としても有望である。人工知能の課題としてはもちろん、その他に探索の技術を洗練する課題としても、またパターンの扱い方の課題としても、データマイニングの課題としても有望である。現在は対局囲碁ソフトウェアの開発としてしか認識されていないが、囲碁プログラムの背後に存在する課題は深遠である。

 これまでコンピュータ囲碁大会は20年以上にわたりいろいろな形で開催されてきた。しかし、経済的な理由やなかなか思うように強くならないということで各大会が中断するにいたっている。そこで、長期的な展望のもとで、コンピュータ囲碁ソフト、さらには一般的なソフトウェア技術を育成し、多くの人々に人工知能やソフトウェア技術の面白さを知ってもらうという観点での大会が重要になる。

 国際的な大会は、技術の発展を加速し、多くの人の関心を呼んで、われわれが挑戦している問題の意義に理解を深めてもらう絶好のチャンスとなる国際的な大会を開催することは決して容易なことではないが、この趣旨に対して、幸い、岐阜県及び財団法人ソフトピアジャパンを中心とするIT関係各位のご賛同をいただくことができた。これはソフトピアジャパンのIT育成の基本方針とわれわれの理念が囲碁ソフトウェアを軸としてつながったものである。感謝にたえない。この大会を通じて、岐阜県、さらには日本から囲碁ソフトウェア並びに高度ソフトウェア技術の発展について熱いメッセージを世界に発信することができればこれに勝る喜びはない。


 
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